カギ屋さんの思い出について

私が中学生だった頃、当時、高校生だった姉が学校でカギを失くしてしまったことがありました。
実はその時、お財布も失くしてしまったのです。
どうやら生徒の誰かが盗んだようでした。
カギとお財布は一緒にしまってあったのです。
姉に話を聞いてみたところ、体育の授業で外へ出た時に失くしたようでした。
これはもう犯人探しをしている暇もなく、お財布や中に入っていた現金は諦めて、それ以上に家のカギを失くしたということについて対策を練ることにしました。
家に泥棒が入ってしまうことの方が大問題だと我が家では考えたからです。
ちょうどその頃、我が家は一戸建ての賃貸に住んでいました。
大家さんには家の修理が必要なら相談してほしいと、いろいろと言われていたこともあり、すぐにカギの紛失について相談してみることにしたのです。
すると、大家さんがカギ屋さんを紹介してくれることになりまし。
思い切って家のカギを変えてみては、という提案をしてくれたのです。
新しくカギが変われば、失くしたカギを使って泥棒も我が家に入ることはできなくなります。
費用は大家さんが持ってくれるというので、遠慮なく家のカギを変えることになりました。
大家さんに紹介されてやって来たカギ屋さんは、大家さんとはかなり古い付き合いらしく、とても感じのいい人でした。
紛失事件に関しても姉を責めることなく、可哀想にという表情で接してくれたのです。
責任を感じていた姉は、カギ屋さんの表情で随分と和まされたと、後々、話していたことがあります。
カギ屋さんは私が想像していた以上に手早くカギの交換をしてくれました。
さすがプロという印象を受けたものです。
ちょうど最新型の機能的にも優れているカギに交換することができたので、我が家としても安心することができました。
こういった思い出から、カギはとても大事な物だということを改めて実感するようになりました。
カギだけは失くさないように、その後は私も気をつけるようになりました。